
花吹けば、ハチは行く。|朝翠訪問記
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2025年8月6日。真夏の小田原。
私たちそのままハニーチームは、取材と仕入れを兼ねて早川にある「あさみどりカフェ」を訪ねました。
迎えてくれたのは、朝翠養蜂販売株式会社 代表・杉本真理子さん。
大正時代から続く養蜂の歴史を受け継ぎ、全国に信頼できる養蜂家ネットワークを持つ、“国産ハチミツの守り人”です。
不作の年に、守り抜くもの
開口一番、杉本さんが語ったのは、今年の厳しさでした。
「今年は、どこも本当に苦戦してます。長年のベテラン養蜂家も気を落とすほどで…。」
気候の影響で蜜源の開花状況が芳しくなく、全国的に採蜜量が激減。国産ハチミツはここ数年でさらに貴重になり、大手からも引き合いが有るのだとか。
厳しい環境にあっても、朝翠の「品質にこだわる」養蜂への姿勢が揺らぐことはありません。
日本各地にいる養蜂家たちと築いた長年の信頼関係、代々守られてきた蜜源と土地、そして技術。
「おいしさの核心は、技術だけじゃないんです。」
杉本さんはそう言います。
花が咲く土地と、それを守り続ける人々の存在が、他にはない”特別な風味”を生むのです。
あさみどりカフェに飾られている養蜂場の写真
“美味しい”が運ぶもの
私たち「そのままハニー」は、無添加・非加熱(40℃以上の高温処理なし)の“本物”のハチミツにこだわっています。 それは、美味しい国産ハチミツが、誰かの一日をそっと明るくしてくれると信じているからです。
先日、とあるお客様からこんな声が届きました。 がんの治療に向き合う日々の中で、「頑張るためのエネルギー」として、そのままハニーを楽しんでくださっていると。
その話を聞いたとき、言葉にできない気持ちが込み上げました。 一匙のハチミツが、誰かの暮らしの中で、たしかな力になっている。 そのことが、私たちにとって何よりの励みになっています。
杉本さんも、ゆっくりと頷いて言いました。 「あさみどりカフェにも、ハチミツの力を感じて、繰り返し足を運んでくださる方がたくさんいるんですよ。」
“自然の味そのままの美味しさを届ける”という想い。
これは、朝翠と私たちそのままハニーが共有する、大切な原点です。
これからも決して忘れることなく、丁寧に紡いでいきたいと改めて感じました。
朝翠の皆さま(あさみどりカフェ)
採蜜のたびに変わる一期一会の味
今年3月に入荷した“小田原みかん”と“ミント”のハチミツは、想定を大きく上回るご好評をいただき、つい先日すべて完売に。
そこで今回、私たちは「いま出会える、最高に美味しいハチミツ」を探しに、再び朝翠を訪れたのです。
杉本さんは、少し茶目っ気を見せて言います。
「本当は売りたくないくらい美味しいんですよ。でも…特別に。」
非常に厳しい採蜜状況の中でも、稀に見る質の高さの単花蜜が採れたとのこと。
机に並んだ4つの瓶を前に、私たちはスプーンを手に取りました。
1. 菩提樹(北海道)
口に含んだ瞬間から上品かつ華やかな香りが広がる。
2. 有田みかん(和歌山・有田)
一口で口いっぱいに広がる、芳醇な香りと甘み。まるで果実そのものを頬張ったかのよう。
3. ハゼ(愛媛)
穏やかな入口から、奥行きのある後味へ。先程の菩提樹・みかんとはまた違う、大人の余韻。
4. キハダ(北海道)
軽やかで繊細。強い甘さではなく、体にすっと馴染む優しい風味。
同じ花でも、年ごと・場所ごとに風味が変わるのが、私たちが大切にする国産生ハチミツの、自然そのままの姿です。
「だから面白いんですよ。」と杉本さん。
まさに一期一会の味です。

今年選んだ、3つの宝物
どれも甲乙つけがたい中、私たちが選んだのは…
- フルーティーで明るい 有田みかん
- 香り高く華やかな 菩提樹
- 食べ続けたくなる深みの ハゼ
9月に、この3種を皆さまへお届けします。
「同じフレーバーでも、採蜜ごとに違う風味がある。」
そんな奥深さこそ、私たちそのままハニーセレクトのハチミツの魅力です。
花が咲けば、ハチは行く
別れ際、杉本さんがふとこぼしました。
「厳しい環境でも、花吹けばハチは行く。この貴重なハチミツの素晴らしさに皆さまが共感してくれることを信じて、託します。」
その言葉には、自然への畏敬と、養蜂家としての誇りが込められていました。
私たちはその想いを受け取り、大切にお客様へ届けます。
それがそのままハニーの変わらぬ約束です。

今年だけの味。今年だけの出会い。
花が咲き、ハチが行き、そして私たちの手元に届いた奇跡。
その感動をぜひ味わってください。
朝翠の養蜂場(小田原)
Text & Edit
そのままハニーチーム(運営:株式会社アンウォール)
Special Thanks
朝翠養蜂販売株式会社